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配偶者の被扶養者であるパートタイマーの就業調整を回避 社会保険の年収の壁「130万円」の対応

投稿日:2026年3月31日(火)

配偶者の社会保険の被扶養者になっているパートタイム労働者が年収130万円以上となると、被扶養者から外れます。

そのため就業調整することがありますが、一時的なものである場合は一定の手続きをすることで被扶養者として継続できます。

ここではそのポイントをまとめます。

年収130万円の壁とは

年収の壁の一つに「年収130万円の壁」があります。

被用者保険制度の被保険者の配偶者で被扶養者になっている者(学生を除く)が、年収130万円以上(残業代等を含む)になると配偶者の被保険者から外れることになるというものです。

パートタイム労働者が配偶者の被扶養者から外れると、自ら社会保険に加入しなければならず、新たに社会保険料の負担が増えて手取り額が減少することになります。

それを避けるために終業日数や労働時間数を減らす、残業をしない、などの就業調整をする人が少なくありません。

その結果、会社にとっては年度末や繁忙期等に働き手が少なくなるなど、事業運営に著しい影響を及ぼすことが起こり得ます。

一時的な収入増への対応

「年収130万円の壁」におけるパート労働者の就業調整への対応として、一時的に収入が変動しても社会保険適用事業所の事業主がその旨の証明をすることで、引き続き配偶者の被扶養者認定が継続できる措置があります。

この措置(厚生労働省:令和5年10月20日 保保発1020第3号)は、収入が扶養認定の基準額(年額130万円・月額10万8334円)以上となる場合でも「人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主証明によって、被扶養者認定を可能にする」ものです。

例えば、他の従業員が退職または休職したことや、突発的な大口案件により当該事業所全体の業務量が増加したなどの事由で残業手当や繁忙手当、臨時的手当などの収入が増えて年収が130万円以上となっても、事業主の証明により被扶養者認定が可能となります。

ただし、基本給(時給など)が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き(恒常的に)収入が増えることが確実な場合においては、一時的な収入増加とは認められず、対象となりません。

そのほか、契約条件変更(給与や労働日数・労働時間数増など)により収入超過が見込まれる(130万円以上)場合も、一時的な収入増加ではありませんので対象となりません。

なお、これらは当面の措置として運用されていましたが、「令和7年10月1日保保発1001第3号」により恒久的な措置となりました。

ただし2026年4月1日以降は、労働条件通知書等記載の労働条件による年収見込額を重視することとなります。

具体的には、年収130万円の判定は労働条件通知書や労働契約書上の基本給、諸手当、賞与を基準とした年間収入の見込額によるものとし、仮に契約時は想定していなかった残業代などで130万円以上となっても被扶養者として認定されることになります。

また、被扶養者が60歳以上の者である場合、または概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合の、年間収入が180万円未満であるか否かの判定についてもこの措置が適用されます。

必要な手続き

労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働条件通知書等の労働契約の内容(時給、労働時間、労働日数など)を確認できる書類の添付及び当該認定対象者に「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認することとなります。

申立ては、被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄に記載するか、別途申立書を添付することになります。

なお、被扶養者認定後は保険者(健康保険組合、全国健康保険協会<協会けんぽ>等)から定期的に被扶養者認定の確認を求められることがあります。

また、労働条件の変更が生じた際は、その都度、労働条件通知書など変更時の内容がわかる書面等の提出が必要となりますので留意しましょう。

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