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事業者が講じるべき措置を厚生労働省が提示 高年齢者の労働災害を防ぐための対策

投稿日:2026年5月25日(月)

2026年2月10日、厚生労働省は、高年齢労働者の労働災害の増加傾向を踏まえて、高年齢者が安全で健康に働き続けられるよう、事業者が取り組むべき事項をまとめた「高年齢者の労働災害防止のための指針」を公表しました。
ここではそのポイントをまとめます。

高齢者労働災害の現状

人手不足や定年の引き上げにより、企業での高年齢者の雇用が進み、雇用者全体に占める60歳以上の割合は2022年で約18.4%、2023年には18.7%と約2割となっています(図表参照)。
また、労働災害で休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の割合も増加しており、20年前には15%超だった比率が30%近くへと倍増しています。

そこで、厚生労働省では高年齢労働者の労働災害防止対策として「高年齢者の労働災害防止のための指針」を策定。
事業者には、職場環境の改善や安全衛生管理体制の確立などのために、主に次のような対策を講じることを求めています。

1.安全衛生管理体制の確立等

まず、経営トップ自らが高年齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を明確に表明し、担当組織を定めて体制を整備することが重要です。
安全衛生委員会等では、高年齢者労働災害防止対策を審議すること、当該委員会を設けていない場合は事業場においては労使間で協議することとしています。
また、高年齢者特有のリスク(転倒、暑熱、重量物、認知機能低下など)を洗い出し、優先順位をつけて対策を決めます。

優先順位は、
1.危険作業の廃止・変更→
2.工学的対策(手すり・段差解消)→
3.管理的対策(マニュアル整備)→
4.個人用装備の使用(負担軽減)の順で検討することを求めています。

2.職場環境の改善

職場環境については、作業場所の照明を十分に確保する、手すりを設置する、段差を解消する、滑り止め素材を採用するなどの物理的な改善が必要とされています。

また、アシストスーツや移乗支援機器の活用も有効です。
作業内容についても、高年齢労働者の体力に合わせたゆとりのある設定や休憩時間の確保が重要となります。

3.高年齢者の健康・体力の把握と対応

定期的に体力チェックを実施し、労働者個々の体力状況を把握すること。

その上で、身体機能の維持・向上を目的とした運動プログラムの推奨や、雇い入れ時及び定期的な健康診断の確実な実施を通じて、高年齢労働者の健康維持増進に努めることを示しています。

4.安全衛生教育

写真・図・映像等の文字以外の情報も活用して、十分な時間をかけた教育を行うとともに転倒リスクや軽作業の危険性を周知し、KYT(危険予知トレーニング)やVRによる危険体感教育も有効的に行うこと。

管理監督者に対しては、高年齢者の特性理解や緊急時対応(救命講習)についての教育の必要性を示しています。

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