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10月1日施行!学生アルバイト等の収入要件緩和「19歳以上23歳未満」被扶養者認定基準の改正

投稿日:2025年10月30日(木)

2025年10月1日より、「19歳以上23歳未満」の健康保険の被扶養者(被保険者の配偶者を除く)に係る認定要件が、年間収入130万円未満から150万円未満に引き上げられました。
学生アルバイト等の労働日数や労働時間を調整するうえで重要なため、その内容を確認します。

2025年度の税制改正において、今日の厳しい人手不足の中での大学生のアルバイト等の就業調整に対応することを目的として、「19歳以上23歳未満」の大学生年代の子どもなどについて、合計所得金額が85万円(給与収入150万円に相当)までは、その子どもの親等が特定扶養控除と同額の所得控除を受けられる仕組み(特定親族特別控除)が導入されることになりました(本誌令和7年7月号参照)。

これに伴い、厚生労働省は、健康保険の被扶養者の収入要件について、税制改正に合わせるべく、2025年10月1日から19歳以上23歳未満の家族(配偶者を除く)の年間収入要件を、現状の年間収入130万円未満から150万円未満に引き上げることとしました。
なお、この取り扱いは19歳以上23歳未満という年齢で判断され、学生であるか否かは問われないこととなっています。

被扶養者の認定基準

健康保険では、適用事業所に使用されている被保険者だけではなく、被保険者に扶養されている被扶養者(家族)に対しても必要な保険給付を行います。

被保険者の被扶養者として認定されるための、「被扶養者の範囲」と「収入」について一定の基準を設けています。
その範囲は、主として被保険者の収入によって生計を維持して、原則として日本国内に住所を有している(日本国内に生活基礎があると認められる)三親等内の親族となります(図表1参照)。
また、収入について基準となる「主として被保険者の収入によって生計を維持している」とは、被保険者の収入により、その人の暮らしが成り立っていることを指します。

そのうえで、同一世帯の場合、原則として、認定対象者の年間収入が、130万円未満(60歳以上及び障害者は180万円未満)であり、被保険者の年収の2分の1未満であることが必要です。

別居世帯の場合は、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上および障害者は180万円未満)であり、かつ、被保険者からの仕送りが額より収入が少ない場合が認定基準とされます。

認定基準の改正

これまでは、前述の基準に基づきアルバイト収入のある大学生等についても被扶養者となるか否かが認定されてきました。
それが、2025年10月1日からは年間収入基準が130万円から150万円に緩和されることになります。
これにより、被扶養者となるための収入要件は年齢に応じて前出の表のようになります。

なお前述の通り、「19歳以上23歳未満」については、大学生を想定しているものの、学生か否かは問わず、当該年齢層に該当することと収入をもって被扶養者となるか否かを判定することになります。

また、被扶養者となる者が当該年齢層に該当する場合であっても、被保険者の配偶者である者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)については、収入要件の150万円未満は適用されません。

これまで通りの130万円未満であるかが認定基準となりますので、注意が必要です。
なお、「19歳以上23歳未満の被扶養者」の年間収入が150万円を超えた場合であっても、それが繁忙期等の残業の増加などによる一時的なものであるときは、「年収の壁・支援強化パッケージ」等に基づく事業主証明があれば、被扶養者認定継続ができる可能性があります。

年齢要件・収入要件の判定

年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定については、所得税法上の取扱いと同様に、その年の12月31日現在の年齢で判定することになります(図表2参照)。

例えば、2026年10月に19歳の誕生日を迎える場合には、2026年(暦年)における年間収入要件は150万円未満となります。
その後、4年経過後の2030年10月に23歳になるため、2030年(暦年)における年間収入要件は130万円未満に、いわば戻ることになります。

18歳であっても年間収入を150万円で判定することや、22歳であっても年間収入を130万円で判定することになる点については注意が必要になります。

このように年間収入が150万円未満かどうかは、従来と同様の年間収入の考え方により判定することになります。
具体的には、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むこととなります。

今回の改正に基づく年収基準の変更により、これまでの基準(年収130万円)超で被扶養者の認定から外れていた学生アルバイト等であっても、基準適用により被扶養者に戻れる可能性があるのです。

会社が注意すべき点

今回の被扶養者の認定基準の改正により、会社の人事や総務担当者にとっては健康保険の被扶養者に関する手続き等に関して新たな判断基準をもとに対応する必要が出てきます。

まず、子供がいる従業員に対して対象年齢の確認や、新たな被扶養者認定基準について社内周知をするとともに、相談窓口などを設けるなどの対応の検討も必要となるでしょう。

特に、対象となる19歳以上23歳未満の扶養家族がいる従業員に対しては、新たな被扶養者の認定基準の変更の趣旨や新たな収入要件(150万円未満)を正しく伝え、アルバイト収入等の情報を確認しなければなりません。
こうした個別対応の負担軽減策として、顧問社会保険労務士に事務手続きを依頼している場合は事務対応についての連携も必要です。

また、対象年齢のパート・アルバイトの人数が多い会社や学生アルバイトを受け入れている会社においては、しっかり周知し、就業調整への相談体制を整備しておく必要もあるでしょう。

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