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ワーク・ライフ・バランスの改善に向けて「週休3日制」の導入と運用のポイント

投稿日:2026年1月30日(金)

近年、働き方・休み方改革の取り組みの一つとして、多様な働き方の実現とワーク・ライフ・バランスの改善を目的とした「週休3日制」の導入が推奨されています。

ここでは、週休3日制について導入方法や活用する際の留意点を解説します。

働き方・休み方改革

「働き方改革」とは、働く人が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自ら「選択」できるようにするための改革です。

一方、「休み方改革」とは、有給休暇取得促進など働く人が休みやすい環境をつくるための施策です。

働き方・休み方改革が推進される背景には、急速に進行する少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児や介護との両立といった働く人のニーズの多様化など、喫緊の課題があります。

法改正においては、時間外労働の上限規制や年5日(年10日以上の新規取得者が対象)の年次有給休暇の確実な取得を内容とする改正労働基準法が、2019年4月1日から施行されています。

以降、企業には、働きすぎを防ぐことで社員の健康を守り、多様な「ワーク・ライフ・バランス」に応じた柔軟な働き方を実現するための取り組みが求められてきました。

「働く場所」や「働く時間」の柔軟化が進むなか、2021年には「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太方針2021)」において、「働く日数」を柔軟化する選択肢として「週休3日制」の導入が推奨されました。

2024年には厚生労働省による委託事業として、週休3日制に関する無料コンサルティングが実施され、「働き方・休み方改善ポータルサイト」においては具体的な導入事例が紹介されています。

週休3日制の効果

政府の推奨する週給3日制とは、働く人が本人の希望に合わせて1週間に休日を3日とする働き方を選択できる制度(以下、「選択的週休3日制」)です。

近年、大企業の一部などトライアルで導入しているところもあります。

選択的週休3日制は、育児、介護、病気治療などと仕事の両立、大学院などでの学び直し、ボランティア活動、兼業や副業、余暇の充実など多様な働き方を望む人の働き方の選択肢を増やし、ワーク・ライフバランス向上を促進する施策として期待されています。

企業においても、社員の満足度向上やスキルアップによる生産性の向上、離職防止、また採用活動においては働きやすい職場としてのアピールになるなど、人材確保に繋がる施策として注目されています。

選択的週休3日制の分類1

選択的週休3日制は、労働時間と給与の観点から、大きく2つのタイプに分類されます。

1つ目は、労働時間・給与水準を維持したまま導入する場合です。

週あたりの労働時間を維持して休日を増やす分、1日あたりの労働時間が増加するため、労働時間の調整として変形労働時間制の導入が必要となります。

特に1カ月間に繁閑のある業種や職種の場合は、1カ月単位の変形労働時間制が適しています。

労使協定の締結または就業規則その他これに準ずるものに定めることにより、1カ月以内の期間を平均し、週あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)以下の範囲内において、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることが可能となります。

フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることにより、効率的に働くことができる制度です。

2019年の法改正により、労働時間の調整を行える期間が1カ月から3カ月に延長されたため、より柔軟な働き方の選択が可能となっています。

導入にあたっては、労使協定の締結及び就業規則その他これに準ずるものに定めることが必要となります。

選択的週休3日制においては、働く時間の裁量度を高めるために、「コアタイム」を設定しないことがポイントです。

選択的週休3日制の分類2

2つ目は、労働時間・給与水準ともに削減することにより導入する場合です。

1日あたりの労働時間は維持して休日を増やす分、週あたりの労働時間が削減となるため、給与も削減となります。

なお、週休2日制の勤務形態においての給与水準を維持したまま、週休3日制を導入する場合も考えられます。

同じく、1日あたりの労働時間は維持して休日を増やす分、週あたりの労働時間は削減となりますが、時間単価でみた場合、賃金が上昇していることになります。

この場合、ワーク・ライフ・バランスを確保できる一方で、労働者は短い時間でより多くの成果を出すために生産性の向上が求められることになります。

検討事項と導入方法

制度の導入にあたっては、働く人の希望や現場の働き方の実態を正確に把握し、どのような勤務形態が社内課題の解決に資するのかを検討して、目的を明確にすることが重要です。

まずは制度のタイプを決定し、就業規則の変更や労使協定の締結など、必要となる手続きを確認しましょう。

次に、対象となる事由について、限定なしとするか、限定する場合は育児、介護、自己啓発など対象事由を決定した上で、対象者の範囲を検討します。

休日とする日や1日あたりの労働時間の設定については、業務の繁閑や取引先との兼ね合いなど自社の状況を鑑みた上で、一斉の休日とするか、交代で休日とするかを検討する必要があります。

また、労働時間・給与を削減する場合は、短時間勤務制度の取り扱いも踏まえて役割や報酬・評価などの処遇について検討を進めましょう。

申請時期や申請方法、承認者、制度適用の取り消しに係る要件など、申請・承認ルールを設定することも重要です。

その他留意事項としては、年次有給休暇の付与日数があります。

週の所定労働時間が30時間以上の場合は問題りませんが、週の所定労働日数が4日以下(週休3日以上)かつ週の所定労働時間が30時間未満となる場合は「比例付与」となるため、就業規則への記載が必要となります。

また、制度を利用して労働者が副業・兼業を行う場合は、労働時間の通算管理が必要となるため、ルールの見直しを行い、副業・兼業者の健康確保に必要な措置を講じなければなりません。

導入の際には、制度の目的と内容、申請・利用方法、留意点などについて十分に説明し、職場全体で働きやすく、休みやすい環境を目指して取り組みましょう。

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