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年金制度改革特集第2弾!私的年金制度改正の概要

投稿日:2025年10月30日(木)

6月13日に成立した「年金制度改正法」では、先月号で取り上げた社会保険の加入対象の拡大、在職老齢年金制度の見直しのほか、私的年金制度の見直しも行われました。
ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入年齢の引き上げなど、私的年金制度改正の概要を確認します。

改正の趣旨

近年、健康寿命や平均寿命が伸長し、高齢期の就労が拡大していることに伴って、望ましいと考える生活水準や働き方も多様化しています。
私的年金は、公的年金に上乗せして、経済的にゆとりのある生活設計を行いたいというニーズに応えるため、老後の生活資金を確保する手段として、重要な役割を果たしています。
こうした背景のもと、2025年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が第217回通常国会に提出され、衆議院による修正を経て、6月13日に成立しました。
今回の改正では、高齢期における生活の安定を目指して、働き方や年齢に関係なく、誰もが長期的に老後資産を形成できるようにするため、私的年金制度の見直しも行われています。

iDeCoの加入年齢の引き上げ

確定拠出年金(以下、DC)には「企業型」と「個人型」の2種類があります。
個人型DC(以下、「iDeCo」)は、個人型年金規約に基づいて、国民年金基金連合会により実施されます。個人単位で加入し、掛金は原則として加入者拠出となっています。
現行の制度では、iDeCoにおける加入者の対象範囲は、国民年金の被保険者で、かつ老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者に限られています。
このため、働き方により加入年齢の上限に差が生じることが問題となっていました。
今回の改正では、加入要件を拡充し、シンプルでわかりやすくするため、「60歳以上70歳未満のiDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者」に対して、加入・継続拠出が認められます。
したがって、見直し後の加入者の対象範囲は、1.国民年金被保険者、2.iDeCoの加入者・運用指図者、3.企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移管する者の3要件を満たし、かつ老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者となります。
施行日は、公布から3年以内の政令で定める日です。

企業型DC拠出限度額の拡充

企業型DCは、労使が合意した規約に基づいて、事業主により実施されます。
掛金は原則として事業主拠出であり、公的年金の被保険者種別と私的年金制度の加入状況によって拠出限度額が定められています。
現行の制度において、加入者は、拠出限度額の枠内で事業主の拠出金に上乗せして掛金を拠出する、いわゆるマッチング拠出が可能ですが、事業主掛金の額を超えてはいけないという制限があります。
改正では、この制限を撤廃することにより、加入者は事業主掛金の額によらずに、それぞれの状況に応じて拠出限度額の枠を充分に活用することが可能となります。
施行日は、公布から3年以内の政令で定める日です。
なお、企業型DCの拠出限度額は現行の月5万5000円から6万2000円に引き上げられます。

企業年金の運用の情報開示

現行の制度では、企業年金の情報は加入者本人に通知されていますが、運用状況については厚生労働省への報告書の提出義務の他、一般的には公開されていない状況です。
改正では、企業年金の運用の見える化として、全事業所を対象に、厚生労働省が運用状況に関する報告書の記載事項うち一定の事項を公開することになりました。
その目的は、「他社との比較や分析ができる環境を整え、企業年金を行う主体やその加入者などが、加入者等の最善の利益のために運営を改善できるようにする」ためとしています。
施行日は、公布から5年以内の政令で定める日です。
それぞれの施行に向けて理解を進めておくことが大切です。

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