正社員以外の労働者は”やりがい”の満足度が高い 多様化する就業形態の実状を調査
厚生労働省は9月に、2024年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」を公表しました。
働き方が多様化するなかで、企業の従業員は現在の就業形態をどのように感じているのか。
正社員以外の労働者の就業実態を中心に、調査の概要を見ていきます。
労働者比率の変化を調査
「就業実態の多様化に関する総合実態調査」は、厚生労働省が「正社員」と「正社員以外の労働者」の就業実態を把握することを目的に、1994年から不定期に実施している調査です。
今回は5人以上の常用労働者を雇用する約1万7000事業所と、そこで働く労働者2万3000人を対象に、2024年10月1日現在の状況について調査します(有効回答率は事業所調査50.6%、個人調査61.0%)。
まず事業所調査における労働者比率の変化を見ると、3年前(2021年)と比べて正社員以外の労働者比率が「上昇した」事業所は15.7%、「低下した」事業所は16.7%でした。
「上昇」と回答した事業所において比率が上昇した就業形態(複数回答)は、「パートタイム労働者」(66.2%)、「嘱託社員(再雇用者)」(22.4%)、「派遣労働者(受け入れ)」(12.2%)の順で多くなっています。
また、正社員以外の労働者を活用する理由(複数回答)は、「正社員を確保できないため」(41.0%)が最も高く、次いで「即戦力・能力のある人材を確保するため」(31.6%)、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」(29.1%)、「高年齢者の再雇用対策のため」(28.9%)が続いています。
職場の満足度はどうか
次に、個人調査で、正社員以外の労働者(出向社員を除く)が現在の就業形態を選んだ理由(複数回答)を見ると「自分の都合のよい時間に働けるから」(40.1%)が最多でした。
就業形態別では、「契約社員(専門職)」及び「嘱託社員(再雇用者)」では「専門的な資格・技能を活かせるから」が、「パートタイム労働者」及び「臨時労働者」では「自分の都合のよい時間に働けるから」が、「派遣労働者」では「正社員として働ける会社がなかったから」がそれぞれ最も多い結果となっています。
また、現在の職場の満足度D.I.(※)では、正社員は「雇用の安定性」(66.3ポイント)が、正社員以外の労働者は「仕事の内容・やりがい」(63.3ポイント)が、最も高くなっています(図表参照)。
さらに正社員以外の労働者の就業形態別で満足度D.I.を見ると、「嘱託社員(再雇用者)」で「賃金」、「派遣労働者」で「賃金」と「福利厚生」がそれぞれマイナスポイントであり、待遇面では満足度が低い傾向にあるようです。









