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遵法的な賃金支払いをしているか確認 2022年4月以降増加が見込まれる未払賃金の請求

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投稿日:2022年5月13日(金)

2017年5月、民法の一部改正に伴い労働基準法の賃金請求権の消滅時効期間も5年(経過措置として、当面3年)に改正され、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金に適用されます。

未払い賃金の遡及請求を受けないためにも、点検・確認をしておきましょう。

昨今はインターネットやスマホの普及により、「未払い残業代請求」などで検索すると、労働者側の立場で未払い残業代への対応策や弁護士事務所の広告がアップされることが多く、それだけ未払い残業代の請求をめぐるトラブルが増えています。

厚生労働省の「令和2年度監督指導による賃金不払残業の是正結果」によると、令和2年度に不払いだった割増賃金が支払われたもののうち、遡及支払額が100万円以上となった企業数は1062企業、支払われた割増賃金総額は69億8614万円、1企業当たりの支払った割増賃金の平均額は658万円となっています。

時効が2年から3年に

労働基準法上、過去に遡って残業代を請求できる期間(賃金債権の消滅時効)について、従来は2年と定められていました。

しかし、2020年4月1日以降に発生する賃金債権については3年となりました。

これにより、2020年3月31日までの未払い残業代は2年の時効となり、2020円4月1日以降の未払残業代は日を追って遡及請求期間が延び、3年分を遡って請求できる事案が発生するのは2023年4月1日以降となります(下図)。

なお、この「時効3年」は、当分の間の経過措置であり、将来的には「5年」となります。

未払い残業事例と企業の対応策

労働基準法上、法定労働時間(原則、週40時間、1日8時間)を超えて労働させた場合には、時間外労働として超えた時間に応じて2割5分以上の割増率を乗じた残業代を支払わなければなりません。

深夜労働(22時~翌朝5時)についてはさらに2割5分以上の割増率で、法定休日(週1日または4週4休)の労働については3割5分以上の割増率を乗じた割増賃金を支払わなければなりません。

そのためには、労働時間としての時間外労働や深夜労働、休日労働の労働時間を正確に把握し適正な賃金を支払わなければ、労働者との信頼関係を損なうことになります。

たとえば、時間外労働や休日労働の労働時間を日々15分未満を切り捨てるような労働時間管理をしているケースがあります。

労働時間は日々分単位で管理し賃金を支払わなければなりませんので、このような日々の処理は15分未満の残業について未払いが生じていることになります。

また、残業が恒常的に見込まれ、あらかじめ一定の残業時間についてみなし労働時間制により固定残業代を導入している場合に、それを超える残業があっても固定残業代を超えるものを支払っていない場合も問題となります。

最も注意すべきは、「管理監督者」の取り扱いです。

労働基準法第41条第2号に該当する管理監督者については、労働時間や休日、休憩の規定は適用除外となります。

したがって、時間外労働や休日労働に係る割増賃金の支払いは必要ありません。

しかし、深夜労働については前述の割増率を乗じた割増賃金を支払わなければなりません。

また、必ずしも組織上の管理職=労働基準法上の管理監督者とはなりません。

管理職であっても裁判などで労働基準法上の管理監督者であることを否認されると未払い残業代を遡及して支払わなければならないことになります。

時効の改正により労働時間の管理が不十分であったり、管理監督者について適正な取り扱いをしていないと思わぬ賃金債務を負うことになり、訴訟に至ると大きな経済的打撃を負うことになります。

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