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メリット・デメリットを確認 改正任意継続被保険者制度の活用

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投稿日:2022年1月17日(月)

2022年1月1日、全世代型社会保障改革の方針に基づき、健康保険法等が改正されます。
今回は退職の手続きに影響する「任意継続被保険者制度」について確認します。

退職時における手続き

日本の医療保険制度は、原則「国民皆保険」のため、年齢や国籍に関係なく、国内に住所があれば必ず何らかの医療保険制度に加入しなければなりません。

被用者保険制度に加入している者が退職により被保険者資格を喪失した場合には、3つの選択肢があります。

1つ目は「扶養に入る」、つまり家族が加入している保険者たる協会けんぽまたは健康保険組合運営の健康保険の被扶養者になる方法です。

扶養に入るには、退職後1年間の見込み年収が130万円未満などの条件があるため、家族が加入している健康保険の内容を確認する必要があります。

2つ目は、「国民健康保険への切り替え」です。国民健康保険は市区町村が運営しており、各役所の窓口ですぐに手続きをすることができます。

住所のある自治体により保険料や手続きが異なるため、詳細は各自治体に確認してください。

ただし、国民健康保険には扶養制度がないため、世帯人数に応じて保険料額が増加する点に注意が必要です。

3つ目は、現在加入している健康保険を「任意継続する」方法です。

「任意継続被保険者制度」とは、資格を喪失(退職)した後も最大2年間、引き続き従前の健康保険を継続することができる制度です。

退職日の前日までに継続して2ヶ月以上当該健康保険に加入していることが条件で、資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申請する必要があります。

なお、退職日の翌日に再就職する場合、退職者本人による切り替え手続きは必要ありません。

現行の制度と改正1

退職時に任意継続被保険者制度を選択すると、出産手当金・傷病手当金は、一定の条件に該当すれば資格喪失後の継続給付として支給され、他は扶養家族も含め在職時と同等の保険給付を受けることができます。

また保養所などの施設も変わらず利用することができます。

一方で、原則2年間は資格喪失をすることができません。

資格喪失事由は、1.再就職などで新たに健康保険に加入したとき、2.保険料を納付期日までに納付しなかったとき、3.死亡したときに限られています。

保険料は、退職前には事業主と折半でしたが、退職後は全額被保険者負担になり、減免制度もなく、2年間金額が変わりません。

前年度の所得を基に保険料を計算する国民健康保険と比較すると、退職後1年目の収入がない、もしくは少ない場合、保険料が割高となる可能性があります。

今回の改正では、デメリットとなる2年間の縛りをなくすため、資格喪失事由に、新たに任意脱退を可能とする要件が追加されました。

以降、被保険者の申請によりいつでも資格を喪失することができるようになります。

現行の制度と改正2

保険料の決定は、1.退職前の標準報酬月額と2.当該保険者の全被保険者の平均標準報酬月額のうち、いずれか低い額に保険料率を乗じて算出されます。

そのため、退職前に高額な給与が支払われていても、加入している保険者の平均標準月額の方が低い場合は、その平均標準月額が保険料の算定基礎となります。

今回の改正では、保険料決定方法の見直しが行われ、健康保険組合については保険料の算定基礎に例外が認められました。

改正後は、退職前の標準報酬月額の方が、当該保険者の全被保険者の経金標準月額より高い被保険者について、保険者が規約で定めた場合には、従前の標準報酬月額に保険料率を乗じた額を保険料とすることができます。

今後保険者によっては保険料の決定方法が変わる可能性があるため、留意が必要です。

任意継続被保険者制度は、大正15年の健康保険法施行時から存在する仕組みです。

その目的は、「解雇や退職に伴う無保険の回避」です。

現状では、退職時の高い所得に基づく保険料負担の激変緩和として、実質的な意義を担っています。

従業員の退職時には、丁寧な説明を心掛けましょう。

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